フランス語学留学2019-2020

フランス語学留学の記録

【仏留学中止】移動制限措置発動中の帰国③〜部屋の解約〜

2月初旬に入居したアパートを3月中旬に解約する。仕方のないことですが、やっとそれぞれの場所に落ち着いた私物を再びスーツケースに押し込む時は、さすがに「早いなぁ」、「やっぱりここにいたいなぁ」と思いました。買い足したシーツやタオルは捨てて、5ロール余ったトイレットペーパー(貴重…)や洗剤は次の人のために置いておくことにしました。

コロナウイルスの影響で急遽帰国することにしました。●日に退去することはできますか?」と入居立会いをしてくれた担当者の女性に16日の午前中にメールしたところ、約1時間後に返信がありました。

「恐らく明日から外出できなくなるから、今日の15時に退去立会いをしましょう。あなたは出発日までホテルに泊まることはできる?」

 

…3時間後に出て行けと!?それは、無理。この時すでに、ホテルが医療用に充当されるかもしれないと耳にしていたこともあり、リスクは極力回避するべく、この提案は断りました。

この時、外出禁止令の発表はまだされていませんでしたが、マクロン大統領が20時から何かを発表するらしいことは私でも知っていました。フランス人からすれば、ある程度予想はついていたのでしょうね。より厳しい措置が取られるということが。

 

退去立会いは「テレワークが不可能な仕事」に該当すると思いますが、会社から許可が下りなかったらしく、結局、担当者の方とは会わずに部屋を後にすることになります。私物は全て廃棄し、掃除をし、添付の資料に基づいて退去時のチェックを行うこと。また、退出時に必ず電気の元電源を切ってください、とメールで指示がありました。最後は「Bon courage ! 」と結ばれていました。鍵の返却方法だけが唯一気掛かりでしたが、私の飛行機が万が一飛ばず、引き返す時のことも考慮した提案をしてくれました。

 

フランスの対応は、この退去の時をはじめとして、どこでも速やかで理に適ったものでした。私のフランス語力が足りないせいで、困らせる場面が多々あったにもかかわらず、最後には全てうまくいったのは、対応してくれた方々の機転のおかげだと思います。

 

部屋を出る日の朝、最後の朝食を食べてお皿を洗い、ゴミを出して、きちんとお化粧をしました(数日ぶりに)。パジャマから着替え、最後にそれをスーツケースにしまい、忘れ物がないか確認しているとタクシーの運転手さんから「J'arrive dans3 ! 」とメッセージで連絡が入ります。最後は感傷に浸る間もなく、慌ててスーツケースを廊下に出し、マフラーを巻きました。ドアを閉める前に、分電盤のつまみを左から右に回した瞬間、部屋中の電気が落ち、真っ暗になって、無事ひとりの退去立会いが終了しました。よく晴れた気持ちのいい気候の中での出発となりました。