フランス語学留学2019-2020

フランス語学留学の記録

【仏留学中止】移動制限措置の決定・発動と私の決断

東京都が封鎖される可能性が出てきたため、取り急ぎ、フランスで外出禁止令が出された前後の日々について書きます。日本もフランスと状況が似てきています。決定されれば即実行となり、すぐにより厳しい内容へ変更もありうる。昨日と今日と明日を異なるルールの下で過ごすことになる可能性があります。未曾有の事態に世界が直面している以上、仕方のないことですが、今は既に他国の先例が沢山あります。

 

私は、3月16日から始まるフランス全土の学校閉鎖に備えて、3日前の13日に「wifiルーターの契約」に行ったのです。自宅学習の準備のために。留まるつもりでいたのです。留まれると思っていた。そこまでおおごとになるとは思っていなかった。ちなみに、3月12日時点のフランスの罹患者は2,876人です。もう随分と多いのに、まだ「帰るほどではない」と判断し、まさか外出制限が出されるとも思っていないので、心に余裕がありました。

 

3月16日、全校が休校になったフランスでは15時点で、新たに1,210人の感染者が確認されました。学校封鎖という措置が取られた非日常の初日に、ついに1日の感染者が千人を超えてしまった。ここから一気に危機感が増したように思います。留学生ゆえ、学校の授業がなくなれば誰とも交流が持てない。その孤独感が不安を増幅させました。

 

同じ16日、マクロン大統領が全土での外出制限を明日の正午から実施すると発表します。きっと政府内では段階的な制限措置のスケジュールが決まっていたのでしょうが、一市民であり外国人である私には、「学校閉鎖が始まったばかりなのに」という唐突感がありました。それだけ、罹患者数の増加が凄まじかったのでしょう。EU域外の国とEU圏内の国の間の渡航を30日間停止するなどの発表もありました。話が国境レベルに及んだ時、「帰れなくなるかもしれない」という不安が頭をよぎります。ちなみに、EU圏内については「国境の「完全な閉鎖(fermeture totale)」は行われないが,移動は必要最小限に制限される。」という言及でした。部屋からも国からも自由に出られない、という想像もしていなかったことが現実になりそうでした。

 

「帰ろう」そう決めました。部屋と電気の契約解除がスムーズに希望通りに出来るのか全く読めないまま、まずは飛行機を探しました。幸いにもエールフランスの直航便が取れたため、帰る手段は確保できました。EU圏内の乗り継ぎ便は、上記の措置によりキャンセルになる可能性が非常に高く、今でも数日後の直行便が取れたことは、奇跡だと思っています。

 

(続きます)