フランス語学留学2019-2020

フランス語学留学の記録

【仏留学中止】移動制限措置の決定・発動と私の決断

東京都が封鎖される可能性が出てきたため、取り急ぎ、フランスで外出禁止令が出された前後の日々について書きます。日本もフランスと状況が似てきています。決定されれば即実行となり、すぐにより厳しい内容へ変更もありうる。昨日と今日と明日を異なるルールの下で過ごすことになる可能性があります。未曾有の事態に世界が直面している以上、仕方のないことですが、今は既に他国の先例が沢山あります。

 

私は、3月16日から始まるフランス全土の学校閉鎖に備えて、3日前の13日に「wifiルーターの契約」に行ったのです。自宅学習の準備のために。留まるつもりでいたのです。留まれると思っていた。そこまでおおごとになるとは思っていなかった。ちなみに、3月12日時点のフランスの罹患者は2,876人です。もう随分と多いのに、まだ「帰るほどではない」と判断し、まさか外出制限が出されるとも思っていないので、心に余裕がありました。

 

3月16日、全校が休校になったフランスでは15時点で、新たに1,210人の感染者が確認されました。学校封鎖という措置が取られた非日常の初日に、ついに1日の感染者が千人を超えてしまった。ここから一気に危機感が増したように思います。留学生ゆえ、学校の授業がなくなれば誰とも交流が持てない。その孤独感が不安を増幅させました。

 

同じ16日、マクロン大統領が全土での外出制限を明日の正午から実施すると発表します。きっと政府内では段階的な制限措置のスケジュールが決まっていたのでしょうが、一市民であり外国人である私には、「学校閉鎖が始まったばかりなのに」という唐突感がありました。それだけ、罹患者数の増加が凄まじかったのでしょう。EU域外の国とEU圏内の国の間の渡航を30日間停止するなどの発表もありました。話が国境レベルに及んだ時、「帰れなくなるかもしれない」という不安が頭をよぎります。ちなみに、EU圏内については「国境の「完全な閉鎖(fermeture totale)」は行われないが,移動は必要最小限に制限される。」という言及でした。部屋からも国からも自由に出られない、という想像もしていなかったことが現実になりそうでした。

 

「帰ろう」そう決めました。部屋と電気の契約解除がスムーズに希望通りに出来るのか全く読めないまま、まずは飛行機を探しました。幸いにもエールフランスの直航便が取れたため、帰る手段は確保できました。EU圏内の乗り継ぎ便は、上記の措置によりキャンセルになる可能性が非常に高く、今でも数日後の直行便が取れたことは、奇跡だと思っています。

 

(続きます)

 

 

 

 

【留学中止】不安定な1カ月半を終えて

コロナウイルスに関してダイヤモンドプリンセス号が世界の話題の中心だった時、フランスではそれを遠い国の出来事として取り上げていました。アジア人蔑視による暴行事件や日本食レストランの襲撃が起こっていたのはこの頃です。フランスで最初の感染が確認されたのは2月26日ですが、その時、コロナウイルスは「アジア人が持っているもの」として捉えられていたように私は感じています。「あ、コロナウイルスだ」とショッピングセンターですれ違いざまに白人の小さな女の子に言われたのは2月中旬でした。子供の素直な言動からも「アジア人=コロナウイルス」のイメージが持たれていたことがわかります。そこから1カ月も経たないうちにフランス国内で1万6千人以上にこの病気が広がってしまうなんて、誰が予測できたでしょうか(3月22日時点の仏国内の罹患者は16,018人です)。

 

2月初旬、私はTERに乗ってパリからリヨンに移動しました。「私が乗車することで気分を害する人がいるのではないか」と心配しながら鉄道を利用したのは初めてでした。自由に移動ができない指定席。私が乗り込んだ時には既に隣の席に白人の男性がいました。前後の席も埋まっています。その車両にアジア人は私一人だったので、ただ存在するだけで目立ってしまう状況でしたが、幸いなことに車内では何事も起きず、降車時には前に並んでいた男性が20キロ以上あるスーツケースを2階席から1階席へ降ろすのを手伝ってくれました。アジアの人々が「私はコロナウイルスではない」と切実に訴えていた2月に、私がフランスで抱いていたコロナウイルスに対する恐怖はこうした人種差別的な側面だったのです。

 

ここからたったの1カ月半で恐怖の「種類と重さ」がどんどん変わっていきます。日本に戻った今、私はこの「恐怖の変遷」を母国でもう一度経験するのではないかと恐れています。帰国後、目の前に広がった日本の景色と雰囲気は、フランスの3月上旬のようでした。カフェやレストランは賑わい、マスク姿の人は見るものの駅には人が溢れています。その光景だけで体が萎縮してしまうのは、たった数日だけでもフランスで「外出禁止令」を経験したことに起因すると思います。

 

本来であれば留学希望者の方に役立つように、留学に関する情報(授業内容やホームステイ、一人暮らしの日々)から書きたいところですが、残念ながら「コロナウイルスと留学」というテーマに変えなければ今は文章が書けそうにありません。私の通っていた語学学校は、休校措置が取られる前には既に半分以上の生徒がいなくなっていました。私より先に帰国を決めたアメリカ人のクラスメイトのやるせない表情と「これは僕の選択じゃない」という言葉は今でも忘れられません。みんな、大小様々な憧れや夢や希望を持って来ていたのに、2月から始まった授業は1カ月半で一旦終了となりました。その目まぐるしく変化した1カ月半のことを書いていきたいと思います。

 

(続きます)

 

 

【フランス留学】1カ月間、フランスで過ごしてみて【会話〜聞く力編〜】

2019年12月1日からフランスでホームステイを始めて1カ月が経ちました。

日本で会社勤めをしながら6年間勉強してきたフランス語ですが、その間、会話の機会はほぼありませんでした。

そんな私が毎日浴びるようにネイティブ同士の会話を聞いた結果、会話力はどう変化したかを書いていきます。今日は「聞く力」の初めの1週間について。C'est parti !

f:id:suitefrancaise:20200104071954j:plain

ホストファミリーが書いた「フランス」

フランス人同士の会話は意味不明な音の塊

私のホストファミリーは男性同士のカップルさんなので、普段お家では男性の声を聞いています。一人は話し出すとスピードアップする癖があり、もう一人はそんな彼をなだめることが多いです。

まず、そんな二人同士の会話。着いてから1週間は「これは本当にフランス語ですか?」状態でした。

「Ah, mon cheri, c'est genial ! du coup... //#4*%)%_*&()#*$Y*

こんな感じで、話が具体化した途端にぐちゃぐちゃな音の塊になってしまいました。

二人は私の前でもいろんな話を(多分)していて、黙っていることもあまりないし、仕事の合間に家に帰ってくることもあるので、文字通りほぼ一日中浴びるようにフランス語を聞いていましたが、私6年もなにやってたんだろう・・・と思いました。それくらい、教材やフランスのテレビ・ラジオの声とは違ったのです。

言葉は、お互いの関係性が強固であればこんなにも崩れるのかと。この状態で突然話を振られても「Pardon?」としか言えないような状況でした。

 

私に向けられた言葉をどのくらい聞き取れるか

さて、ではそれが”留学生の私向け”に変化したらどうか。少しゆっくり話してくれたら果たして聞き取れるのか、ということですね。

ほぼ毎日夕飯を共にし、夕食後は3人で映画を観るのが習慣で、一緒に料理をしたり、街へ買い物に出たり、家電製品の使い方や鍵の閉め方を教えてもらったり、遠出する場合は何時に出発するのかを知らせたりする…生活を共にする上で通じ合わなければいけない場面はたくさんあります。が、着いて1週間は正直、半分くらいしか理解できませんでした。

「バス停はここで、どのバスに乗っても4番目のバス停で学校の前に着くからね」→これくらいの短さなら聞き取れます。

「このお店はこの地域で一番のショコラティエなんだ。シェフはなんとかですごくて昔はこんな賞を取って、どうとかこうとか」→込み入ったインフォメーションはほぼダメ。貴重なお話をしてくれたのにごめんなさい。

「君の明日の予定は? 僕は7時に起きて仕事行って午後には一旦家に帰ってくるけど、*時にまた仕事行くから。夕飯は、夫が*時に帰ってくるから一緒に食べてね! A demain !」→23時にこの情報をバーッと話されても、もう頭が回っていなくて数字が聞き取れないことがありました。「夕飯が誰かと食べられるならそれでよし、寝よ」という感じ。

 

聞き取れなくても、聞く姿勢を持つ大切さ

とまあ、こんな感じで、せっかく話してくれているのに申し訳なくなってしまうくらい聞き取ることができずでした。

それでも、私はどうしても、せっかく出会ったあなたたちのこともっと知りたいという気持ちでいっぱいでした。なので、諦めないで耳を傾けて理解できる限り受け止めることを意識して過ごしました。

そうすると不思議と、少しずつコミュニケーションが円滑になっていったし、私の発話力も上がっていく感覚がありました。相手の目を見て耳を傾け続ければ、相手も諦めないで話し続けてくれる。相手が諦めてしまったら、私も諦めざるを得ません。

 

この「発話」については次の記事で。A bientôt !

 

【フランス留学】長期滞在留学生用の保険(傷害・住宅)

f:id:suitefrancaise:20191123095954j:plain



学生ビザでフランスに長期滞在する場合の保険について、私が実際に行った手続きと検討過程を書いていきます。保険は選択した学校の種類や滞在期間によって入るものが変わるので、一様に語ることはできませんし、全部を正しく網羅するのは難しい。私は「長期学生ビザ取得・私立と大学付属どちらの語学学校にも通う・ホームステイでも学生レジデンスでも滞在する」パターンでなんだかバラエティ豊かになったので、何かしらの点で参考になれば幸いです。

まずはキャンパス・フランスのサイトをチェック

キャンパス・フランスのサイトの「健康管理と保険」には、こう書いてあります。

フランスの社会保険であるセキュリテ・ソシアルには、フランス留学中の外国人学生も加入することができます。セキュリテ・ソシアルを補完する保険(mutuelle)に入ることで、医療費の払い戻し金額を増やすことも可能です。

セキュリテ・ソシアルとは長期学生ビザを取得しており、かつ高等教育機関に登録している学生が入ることのできる無料の保険です。

高等教育機関こちらを参照)が対象ですので、私立の語学学校などは含まれません。私は、1校目に私立語学学校、2校目に大学付属の語学学校に通うのでセキュリテ・ソシアルの加入は2校目の開始日からでした。

セキュリテ・ソシアルの手続きは、渡仏後にOFIIでビザを有効化してからとなりますので、出国前に手続きは完了できません。

また、加入までに時間がかかるため、無保険状態になる危険がありますので、次で紹介する学生用相互保険 (LES MUTUELLES ÉTUDIANTES)に加入します。

学生用相互保険(いわゆる海外旅行傷害保険)に加入

キャンパス・フランスのサイトには、“相互保険への加入は任意であり、義務ではありませんが、学生向けの相互保険は保険料も格安ですので、加入することを強くお勧めします。”とあります。

確かに、学生向け相互保険は日本の健康保険に比べると格安です。私は、この“強くお勧め”という言葉の重みを感じて加入しました。ここでは数多くある保険の中から二つご紹介します。

 

フランス人の学生だけでなく、外国人留学生も加入できる保険に、SMERRAというものがあります。

ネットから手続きできますが、日本語対応はないので保険を下ろす場合はフランス語で保険会社に問い合わせる必要があります。日本語で加入代行してくれる会社もあるので、不安ならそちらを頼ってもいいかもしれません。

保険料は、30歳以下なら月47ユーロ、30歳以上は月100ユーロです。

契約時には内容を理解した旨を契約書に自筆でサインして先方に送り返します。

 

もうひとつ、今度は日本語で加入手続きができる保険をご紹介します。いくつか見た中でもお値段が良心的に感じたのは、

海外旅行・留学・ワーホリ保険のグローブパートナー

です。

保険料は、〜35歳と36歳〜69歳で分かれています。35歳までなら12カ月でも540ユーロ。フランスだけでなくEU圏内も含まれますのでフランスからの小旅行も安心。

医療費はもちろん、個人賠償責任保険補償もありますので、例えばホームステイ先で物品を壊した場合も保証対象となるようです。

住宅保険に加入する必要性

私は、ホームステイと学生レジデンスのどちらからも住宅保険の付保証明書をフランス語で提出するよう求められました。先に紹介したフランスの保険会社、SMERRAは住宅保険も扱っているので、ここならフランス語の付保証明書は簡単に手に入ります。

しかし、海外を幅広くカバーしている保険の場合、付保証明書は大抵英語で出てくるでしょう。

私が加入した上記紹介のグローブパートナーの相互保険には、ホームステイを想定した住宅での損害保証も含まれていました。しかし、送られてきた付保証明書は英語です。

そこでフランスの学生レジデンスの貸主側に「付保証明書が英語でしか出せないのですが、それでもいいですか?」と確認したところ、「実際に管理会社に出してみないことには分からない」と言われたため、安心のための保険で不安な想いをするのは避けたいと思い、住宅保険はフランスの住宅用の保険にきちんと加入しました(年59ユーロでした)。

また、ホームステイと違って学生レジデンスは自身が借主となって契約するため、必ず“住宅保険”に加入し、その証明書を提出する指示がありました。ここでいう住宅保険とは、相互保険の物品保証で賄うものではなく、「ガラス破損(bris des glaces)、自然災害(catastrophes naturelles)、テロ(attentats)、盗難(vol)」が入っている内容のものです。

「住宅保険の付保証明書の提出が必要」と言われたら、住宅保険に加入し、付保証明書はフランス語で提出できるようにしておくといいと思います。

クレジットカード付帯の保険の注意点

海外旅行保険がついたクレジットカードで航空券など旅程に関わる買い物をすると、保険に入ることができます。私のカードは留学生でも適用され、保証期間は3カ月間でした。

この保険を最大の3カ月まで使い、留学生用の相互保険には4カ月目以降から加入する方法を一度考えましたが、グローブパートナーは日本出国後に加入する場合、健康である旨の誓約書の提出が必要であり、かつ渡仏後万が一病気に罹った場合は加入不可となる可能性もあったので、渡仏前にこちらの加入手続きを済ませておきました。

結局クレジットカード付帯の保険を使用する予定はなさそうです。

保険会社によって条件は異なると思いますが、日本出国後の加入要件については特に確認するといいと思います。


私自身、留学の先輩方のブログが大変参考になったので、このブログがどなたか一人だけでもお役に立ったならとても嬉しいです。また、現在漠然とフランス留学を考えている方には、学生ビザで留学すると保険料は割と良心的で予算を圧迫しないこともお伝えできたなら幸いです。

にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ
にほんブログ村

【フランス留学】ビザ申請

f:id:suitefrancaise:20191117112204j:plain

パリ イタリア広場のメトロ入口



フランス語学留学のビザ申請において大切なことは、フランス大使館のホームページで最新情報を確認することだと思います。

必要書類やその提出方法などは細かな点も含め随時変更されているようで、個人ブログではなく留学斡旋会社がHPで公開しているものでさえ情報が古いものが見受けられたからです。

しかし、大使館のHPはシンプルイズベスト的な案内のため、困った時の情報源が欲しくなる人は多いはず(私もその一人でした)。

これからフランスに語学留学する方のお役に少しでも立てたらと思い、2019年10月末時点での私個人の学生ビザ申請体験について書いておきます。

 

ビザ申請当日に無事辿りつくまでの手順

学生ビザ取得には、キャンパスフランスとフランス大使館の二カ所で手続きを行います。大まかな流れは以下の通りです。

やってみると意外と……時間が足りなくて焦りますので、3ヵ月以上前から準備を始めることをお勧めします。

 

困るのは恐らく、以下の二点です。

  1. フランス大使館の面接予約枠がすぐに埋まってしまう。
  2. フランスの語学学校から受入許可証または登録証が日本に届くのに思ったより時間がかかる。

フランス大使館のビザ面接予約枠は、混雑期の場合2ヵ月前でも枠がほぼ埋まっている場合があるようです。

キャンパスフランスの面接予約はオンライン手続きが全て終わらない限り取れませんが、大使館の予約は特に事前手続きは必要なく、パスポート番号さえあれば取ることができるので渡仏予定1〜1,5ヵ月前を目安に、大使館の面接予約を先に取っておくと安心(ここ大事!)。後から変更もキャンセルも可能です。

 

フランスの語学学校から許可証がなかなか届かない場合は、学校に問い合わせしましょう。

原本が必要なのはキャンパスフランスの面接時ですが、それ以前に行うキャンパスフランスのウェブ手続きでは許可証のデータをアップロードすることになります。これが終わらないとキャンパスフランスの面接予約が取れないので、データを先に手に入れることが大事です!

学校に前金を振り込むなどして手続きを全て終えたら、許可証のデータをメールしてもらうよう学校にお願いすると良いです。

キャンパスフランスの面接

2019年10月時点での提出物は、以下の通りです。

  1. パスポート
  2. キャンパスフランスにアップロードした書類の原本:自身の学校の卒業証明書、フランスの語学学校の受入許可証

書類を確認された後、面接官と一対一で15分程面談を行います。

事前にアップロードしたフランス語の履歴書(CV)を元に、これまでの経歴やフランス語歴などを聞かれます。

担当は日本人の女性でしたが、最後にフランス語で自己紹介を求められ、その後質疑応答がありました。

私は、フランス語の学習歴と始めたきっかけ、今後の目標をフランス語で話しました(翻訳をしたいです!と)。

会話の練習はどうやっているの?と聞かれたので、スカイプのオンラインレッスンですと答えたりして、終了。

ここでのフランス語力は申請可否に影響しないそうですが、雰囲気的に二言三言くらいの自己紹介フレーズは丸暗記していくほうがいい気がします。

フランス大使館の手続き

空港の出国手続きカウンターとそっくりな場所で行われます。手元には指紋採取のための機械が置かれています。

2019年10月時点での提出物は、以下の通りです。

  • 大使館が指定する書類を指定する順番通りに並べてまとめたもの:ビザ申請書、申請書に貼るパスポートサイズの写真(背景は白)、パスポートとそのコピー、経済証明とそのコピー、フランスの語学学校の受入許可証のコピー、ビザ申請料金(おつりのないように)、レターパック520

大使館の入口に着いて予想外だったのは、「ビザ申請料金はおつりのないようにすること。本日は5,686円です。」と書かれていたことです。

ビザ申請書には「50ユーロ相当の日本円」とあり、ぴったりの金額で持参する指示はなかったので、これが唯一の不測の出来事でした。

フランス大使館の近くには銀行もコンビニもあるので小銭を作る場所には困りませんが、もし開始10分前に大使館へ行ったとしたら、きっと間に合いません。

この決まりが今後も続くかどうかはわかりませんが、いずれにせよ時間に余裕を持って行くことをおすすめします。

 

窓口の担当者はフランス人の方で、「あ〜、学生ビザか。フランス語は話せる?」とはじめに聞かれました。

少しなら話せますと答えたので、「書類を出して」「ここにパスポートと同じサインを書いて」などフランス語で案内されましたが、指紋を取るときだけ「指紋を取ります」と日本語で案内されたので、「フランス語を話せる?」と聞かれた時に「Non」と答えてもおそらく大丈夫です。

私は、ビザ申請書の記載内容に関しては何も質問されませんでした。指紋を取られ、ビザ用の写真を撮られて、最後にパスポートを2週間ほど預かると伝えられ、「Bonne journée!」で終了です。所用時間は約15分。

ビザの可否は、レターパックで返されるパスポートを開けてのお楽しみですが、ここまで終えるだけでも「お疲れさまでした!」という気分になります。フランス語をフランスで勉強したい!と思っても、長期学生ビザを無事取得するまでは結構長く感じます。必要書類を手に入れるまでハラハラしたり、慣れないフランス語での記入でも絶対に間違えられないという緊張感があったり。入学試験はありませんが、その分、目的と意欲は強固であることが大切かなと個人的には思います。

最後にちょっとした情報を。ビザ申請書に貼る証明写真の背景はです。青でもグレーでもいけません。背景が白の証明写真機を私は見つけられなかったので写真屋で2400円かけて撮影しました。都内でも街によっては白が見つからないことがありますので、普段から探しておいてくださいね。

と、大使館に行く前までは思っていたのですが、なんとビザ申請室に背景が白の証明写真機、置いてありました。こういう点は親切な大使館。まあ、ということは背景は絶対に白でないとだめなんですね。気をつけましょう。

【フランス留学】学校の選び方

f:id:suitefrancaise:20191117132028j:plain

シャンティイ城内の書架



フランス語の語学留学をこれから検討される方に向けて、学校選びに関する情報を少しでもお届けできたらと思います。

というのも、フランスには多くの語学学校があり、魅力的な地域が多くて迷ってしまうのが一つと、学生ビザを申請する際に意外な落とし穴があったり、私自身の失敗談からも参考にしてもらえることがあるように思うからです。

時間とお金をかけて行くからこそ自分が納得する学校選びを一人でも多くの方ができますように。

ここに示すのはあくまで私個人の主観と経験に基づくものですが、フランス語学留学を検討し始めたばかりの方の参考になれば嬉しいです!

 

 

学校の検索の仕方・選び方

 

キャンパスフランスとは、学生ビザを取得する上でお世話になるサイトで、日本語のサイトもありますが、ここで紹介するフランス語のサイトでは“QUALITÉFLE”という良質な学校に与えられるラベルを有した学校が紹介されています。

日本語表示はありませんが、地域毎に検索できたり、学校毎ではなく、コースがずらっと表示されるので、その学校が週に何コマの授業を展開しているのかがざっとわかります。

  • 留学斡旋会社のホームページから探す

どの留学斡旋会社でも掲載学校に大きな差はないと思うので、日本語で学校を検索して調べたい場合に向いています。

学校の特徴やおおよその費用が載っているので、行きたい学校が見つかればその会社に問い合わせてみましょう。問い合わせだけなら無料のところが多いです。

ちなみに私はシュマンアッシュさんを選びました。

フランスのほぼ全域にわたって学校を網羅していますし、良心的な価格で1年間サポートしてくれて、申し込む前でも親身に相談に乗って頂けたからです。

留学斡旋会社を通さずに自分で手続きをすることももちろんできますが、私はそれで一度失敗してしまったので、初めての留学ならばなおのこと、エージェントを通すことをお勧めします。

 

私立? 大学付属? どちらにするか

    • 価格と期間

私立の語学学校は、小規模な学校が多く、週単位から授業の設定があり、週/200ユーロ前後のところが多いように思います。

大学付属の語学学校は、約4ヵ月を1つのセメスターとして1,600〜2,000ユーロあたりの価格帯をよく見かけました。

授業時間は、週に16時間や20時間など様々で、もちろんそれによって値段が変わります。

大学付属の方が授業料は安いですが、その中でも特にお手頃に感じたのは、レンヌ第2大学とボルドーモンテーニュ大学です。授業料は変更の可能性があるのでここには書きませんが、費用重視の方はチェックしてみてください。

 

私立は比較的いつからでも受け入れてくれるようですが(ただし、初級レベルは開講日の指定がある場合有)、大学付属の方はフランスで学期が始まる9月から4ヵ月間を前期、1月〜4月末もしくは5月末を後期としていることが多いです。学校によっては、6月〜9月までの間に夏季講座として1ヵ月単位などのコースが用意されています。

いつから渡仏できるか、自身のスケジュールと合わせて決めてもいいと思います。

    • 滞在先の確保ができるかどうか

私立は、滞在先のお世話までしてくれるところが多く、私はホームステイ先を紹介してもらいました。

私の選んだ学校は、事前に質問票を送ってきたので、例えば「ペット不可、子供不可」などの希望を言うことができましたが、それ以前に学校側から「日本文化が好きな素敵な家庭がある」と連絡がきて、スムーズに決まりました。

大学付属の場合は、滞在先に関する案内が全くない場合と留学生向けの学生寮やホームステイ先を紹介してくれる場合があります。

パリならば、MixBOVNIで物件を探せる可能性がありますし、地方都市でもAirbnbを使えば見つかるかもしれませんが、学校が滞在先を紹介してくれた方が初めは安心かと思います。住宅保険の案内などもしっかりしてくれるので。

ちなみに、リヨンカトリック大学ディジョンのブルゴーニュ大学学生寮や学生レジデンスを学校が紹介してくれるようです。ただ、前期のセメスターが始まる9月や10月の直前(3カ月前でも遅いかもしれません)だと満室の可能性が高いので、注意が必要です。

 

一校? 二校? 留学期間内に移動するか否か

初めから2期連続でセメスターを取る場合(つまり約8カ月ほど留学する場合)、一つの学校に二期連続して登録するか、前期と後期で別の学校を選択するかは自由です。

私の場合は、初めは前期後期で一つの学校に登録しようとしましたが、「どうせなら複数の都市の雰囲気を味わいたいし、それに学校が合わない可能性もある」と思い、最終的には二つの地域で一校ずつ登録しました。

まずは2カ月間私立に通い、それ以降は大学付属の学校に通う予定です。

学生ビザを申請する場合に気をつけたいこと

3ヵ月以内の滞在であればビザは不要ですが、それ以上の場合は学生ビザの取得が必要です。

ここで注意が必要なのは、フランスで評判が悪い学校でうっかりビザ申請してしまうと、承認が降りない場合があること。

学生ビザはフランスで一定の労働を許可しているので、恐らく労働目的でこのビザを取得し学校側も暗黙の了解でそれを認めていたりすると目を付けられてしまうようです。しかし、日本の私たちにはどの学校がブラックリスト入りしているかなんてわからないので、そういった意味でも留学のプロを通すと安心ですよね。


 

フランスの学校とフランス大使館とキャンパスフランスの三者が関わってくるビザ申請は早めに動くことが大切です。

その第一歩となる学校選び。“フランス語を学ぶ”ということは共通していても、生徒の構成や学校の設備、費用など様々です。同じ名前の学校でも地域によって大きく雰囲気が違い、別の学校として捉えた方がいいこともあるので、ご自身の留学計画に合わせて気になった点(特に長期学生ビザに関すること)は、事前に問い合わせることをお勧めします。

中級以降のフランス語の勉強方法

フランス語を語学学校に通わず勉強する中で一番困ったのは「上級者向けの教材が書店の棚にほとんどない」ことです。

たとえあったとしても、音声が付いていなかったり、CDタイプで面倒だったり……

そんな私が、中級の市販の参考書を一通り終え、仏検準2級を取得後に始めた勉強方法について書きたいと思います。

ある一人の先生との出会いが、これまでの勉強方法を大きく変え、フランス語学習をさらに豊かにしてくれました。

f:id:suitefrancaise:20191016174130j:plain

 

NHKラジオ講座(応用編)を活用する

 

NHKラジオ講座がおすすめです!って何度も言ったのに、どうしてすぐ始めなかったんですか?」

と、ぐずぐずしていた私に対して、先生が軽く非難するように言ってきたのには、相応の理由があります。

NHKラジオ語学は、1回たったの15分ですがそこに濃い内容が詰め込まれているためテンポよく進み、ネイティブの音声が聴けて、時代に合った自然な言い回しが学べます(ラジオならではの強みですね)。

ラジオの音声だけなら無料ですし、たとえテキストを購入したとしても500円で収まるので、予算面で胸も痛みません。

入会費も年会費もいらないし、肌に合わなければいつ中止してもいいのです(自分に合わない勉強法は身になりにくい)。

フランス語の場合、テキストは初級編と応用編が1冊にまとまっていて、月1回発行です。

初級編が週3回、応用編が週2回。

もちろんラジオ放送で聴くこともできますが、おすすめは一週間遅れでNHK語学のサイトで配信されるストリーミング配信。

自分の好きな時間に聴けますし、音声を好きなタイミングで止めたり、聴き取れなかった箇所を何回も聴き直せます。

3ヵ月毎に変わる講師の先生によって学習形式は異なりますが、二人の人物による会話文形式でちょっとしたお話が進んでいくことが多いです。

なによりもいいのは、「参考書にはなさそうだけど、こんな風に言いたいことあるよね。」という言い回しが多く出てくること。

会話が現実に存在しそうな自然な感じなんですね。

「富士山の5合目って何なの、あすみ?」とか「日本のトイレってボタンが沢山あるのね! これはどう使うの?」とか。

そうした「あ、こんな会話しそうだよね〜」という設定の下で、登場人物たちが結構深く話し合うので、会話学習で最も達成したい“込み入ったやりとり”をしていくための下地ができる気がします。

 

 

フランスのメディアに触れてみる

 

日本にいながら無料で触れられるコンテンツ、沢山あります。

私は、euronewsFrance Interfrancetve・éducationを普段よく使います。

上記3つのコンテンツの良いところは、音声とそれを文字起こししたテキストが一緒になって提供されていること(※両方揃っているかどうかは記事によります)。

ネイティブの声で読まれたものをテキストでも確認できるかどうかは、とりわけ上級者でない場合には重要なポイントかと思います(あの早い口調を聴き取るのは至難の技)。

私は、まずは耳を鍛えるために音声だけを聴いて、まあ大抵はうまく聴き取れないので、悔しい気持ちと共にテキストを見てしっかりと読解します。最後に2、3回音声を聴いて、音読もして終了です。

慣れてきたら、流れる音声を聴こえる端からノートに書いていく“ディクテ”がおすすめです。

ブツ切れでも構いませんし、たとえ一語でもいいので、聴こえた音を書いてみる。

ディクテは、私の周りのフランス語学習者さんもおすすめする人が多いです。

耳が拾った音をどれだけ再現できるかチャレンジ(?)は、早口の人に当たると嫌になっちゃいますが、神経がフランス語に収斂していく気がするのでお勧めです(集中力も鍛えられる)。

 

 

テストのない環境に身を置いてみる

モチベーションを保つのに仏検やDELF、DALFの合格を目指すのはもちろんありですが、「テスト」という枠の中にあなたがもしずっといるのなら、一度離れてみてもいいかもしれません。

私は3年前まで仏検合格を目標にして、ひたすら過去問を解いたり、仏検用の単語集で語彙を増やそうとしていました。

5級から準2級まで一段階ずつ受けましたが、適度にレベルが上がっていくので、仏検はモチベーションを保たせてくれるいい存在でした。

レベルが初中級のうちは内容を楽しむよりもむしろフランス語に立ち向かっていくのが精一杯なので、平易な文章で勉強するのがいいかもしれません。

が、そこから「ちょっと全体的に飽きてきたな」と思ったら(つまり必死状態を抜け出したら)、上記で紹介したフランス発のコンテンツを取り入れてみるのもいいと思います。

私は仏検準2級に受かった時点でこのやり方を始めました。

最初はA3サイズの紙にテキストを印刷して、日本語でメモを大量に書き込んでいました(文字は大きければ大きいほど読みやすいと風の噂で聞き、難しいものをせめて見やすくしたくて)。答えも補助もある参考書とは難易度が大きく違ったのです。

日本でもこんなに沢山のフランス語のコンテンツに触れられることに驚きましたし(アクセス制限かかることはほとんどありません)、時事問題から文化まで、アクセス可能な範囲が広く、良質なものが多いので「活用しない手はない!」と思いました(勉強の合間にはfrancemusiqueがおすすめです♫ジャズもクラシックもあります)。

一番は、「ここにあるものを不自由なく楽しめたらいいな」という新たな目標ができたことが大きかった。

当時、私にはフランス人の友人が一人もいなかったので、この一歩はフランス語学習を実践に移す一歩にもなりました。

 

学習方法は十人十色であって、正解はないので、自身の進歩に合わせて勉強方法も柔軟に変えていき、目標がいつも輝いているものであるかどうかが大切なことのように感じます。